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アップル

HyperCardが消えた理由 45

ストーリー by hylom
囲い込みとはまた違うような気も 部門より
cheez 曰く、

AppleがMacからHyperCardを消した理由についての考察本家/.にて取り上げられている。

HyperCardのポテンシャルを誰よりも理解していただろうジョブズは、HyperCardを無きものとしてしまった。その後も復活の要望は高く、市場もあったにも関わらず、類似ソフトウェアが登場することは無かった。

理由はHyperCardがAppleの作ろうとしている世界にそぐわなかったことにあるとこのブログでは指摘している。その世界とは、今はほぼ消えつつある「コンピュータを『使うこと』と『プログラミングすること』の境界の薄い世界、パーソナルコンピュータが単なる高価なビデオ付き電話ではなく、自分の頭の中を増幅してくれる端末である世界。そしてそれはAppleの囲い込み戦略が実現し得ない世界でもあったのだと。

HyperCardが存続されていたならば、iOS端末やその他Apple製品は現在のように存在していただろうか?ふと考えさせられる。

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  • by hpn_smile (11442) on 2011年12月03日 4時00分 (#2060316) 日記

    HyperCardは元々、9インチのモニタに最適化されていました。
    9インチのモニタ全画面にピッタリ表示されて、Macが完全に
    HyperCardの環境そのものになったわけです。

    でも、Macに様々な大きさのモニタが繋がるようになって、
    HyperCardもそれに対応してウィンドウの大きさが変えられるように
    なってしまったのが、混沌として廃り始めた元凶だと記憶しています。

    特に、12インチモニタが最悪でした。
    9インチ=モノクロ、13インチ(以上)=カラー、という図式で
    棲み分け&共存していたのに。
    12インチモニタでは、表示できない部分が出来たりしましたから。
    (この問題はHyperCardだけじゃありませんけどね)

    今なら、ベクターイメージでどんな画面の大きさでも綺麗に表示できる、
    次世代のHyperCardが作れるんじゃないかな。
    「スタックをMacで作成し、iPhoneやiPadで見る」というのは、
    あながち悪い戦略ではないと思う。

    # Xcodeで作ってiPhone,iPadに転送するのは、敷居が高すぎる

    • > 今なら、ベクターイメージでどんな画面の大きさでも綺麗に表示できる、
      > 次世代のHyperCardが作れるんじゃないかな。
      > 「スタックをMacで作成し、iPhoneやiPadで見る」というのは、
      > あながち悪い戦略ではないと思う。

      ああ、これいいですね。

      他の環境でできてもいいんだけど、自分としてはHyperCardでできると(気分的に)嬉しい。
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      そんな中途半端な機種(12inch)の問題であり、ソフトの問題ではないですね。
      LCやColor Classicに限らず、II viとか残念な機種もありましたから。

  • by Anonymous Coward on 2011年12月03日 2時05分 (#2060300)

    HyperCardのデビューは本当に鮮烈でした。その発想とデザイン力には心底感心したものです。でも同時に、HyperCardに対し誇大な幻想を抱いている様にも思えます。丁度ジョブスがなくなったこともあり、こんなタレコミが出たんでしょうけど。
    HyperCardは2.0になると、確かにいろいろできるようになったが、重くてノロくてデカくて。ウチのMacは常にそこそこのクラスを買っていたけれど、スタックをダブルクリックして起動することを躊躇するようなものになってましたよ、もさっとしか立ち上がらないから。HyperCard 2.0が不必要に複雑化したことは、ビル・アトキンソン自身も批判してました。これでは衰退しても当然でしょう。Webの世界だってすぐそこまで来ていたんだし。
    まあ、ジョブス云々以前に、製品として方向性を失って衰退しており、Webがとどめを刺したため、必然的に見向きもされなかったのではないでしょうか。でも、繰り返すけど、ビル・アトキンソンの作ったHyperCard 1.0は本当に素晴らしかったですよ。

  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 19時08分 (#2060151)

    404 Blog Not Found [livedoor.jp]

    コードとデータが渾然一体となっていることは作る段階では便利でも、使う段階、特に作者以外が使う段階になるとしごく不便(中略)HyperCardの死因は、自然死だ。Jobsがやったのは延命処置の拒絶に過ぎない。

    そのまま同意なので紹介。

    • by Anonymous Coward on 2011年12月03日 20時05分 (#2060535)

      自分は、HyperCardでやっていたこと、やりたかったことを、今ではSqueakとEtoyでやっている。
      >コードとデータが渾然一体
      いっしょではダメなのか?
      >特に作者以外が使う段階になるとしごく不便
      作者と利用者を分けるべきなのか?
      コード、データ、作者、利用者というパラダイムに囚われていないか?
      HyperCard的なイメージベースもいいのではないか?
      ということで、自分の場合、HyperCardが果たしてきたことをSqueakが引き継いでくれている。

      親コメント
      • by NAT33 (17123) on 2011年12月03日 20時15分 (#2060539)

        >特に作者以外が使う段階になるとしごく不便

        考えてみたら、これも作る側の理屈ですよね。純然たるユーザーから見れば、ぶっちゃけどうでも良い事。

        LotusNotesなんかも同じように、データとコードが渾然一体なんだけど、同じ不満をWeb界隈の開発現場から言われて久しいですね。

        彼ら曰く、Webの標準技術で流用の出来ない技術は大抵こういう文句を言われてしまう傾向にある様です。
        もちろん、小飼さんもWeb界隈の人なので、同じような不満がハイパーカードのような仕組みにはあるのでしょう。

        親コメント
    • by Anonymous Coward

      PDFっぽい

    • by Anonymous Coward

      そりゃ、彼はWeb方面の人だものw

      コードとデータを分けた結果、柔軟性のないRDBで無理やりDBを実現している現状も歪んでいるとは思うんだけども。

      #小飼氏的には、No SQLについて、どう思ってるんだろうな?

  • by masahikoi (1183) on 2011年12月02日 19時31分 (#2060165)

    Windows環境の話になってしまいますが、HTMLアプリケーションで簡易なアプリケーションっぽいものが作れるのはHyperCardの従妹の末裔の知り合いぐらいの関係といってもいいかも?(遠いw

    • by ogino (1668) on 2011年12月02日 22時06分 (#2060235) 日記
      イベント駆動という点では HTML アプリケーションとの共通点というのもゼロではないと思うが、カードに書き込んだものや操作した結果がそのまま残る(スタック=アプリケーションとデータが一体化していて、保存という概念がない)という点では他のアプリケーションとは隔絶している、という気がする。
      親コメント
      • by masahikoi (1183) on 2011年12月03日 3時58分 (#2060315)

        そこらへんはAccessでMDB/MDEの方が近いですな > アプリとデータが一体化
        HTAはデータ保存しようと思ったらファイル書き込みのコードをちゃんと書かないといけないから。
        Accessにもランタイムバージョンがあれば、簡易アプリケーションの配布媒体として使う人が出たのかなあ。

        親コメント
        • by fl (43569) on 2011年12月03日 21時12分 (#2060546) 日記

          Excelで充分ですよ。

          VBAマクロ+データシート+Excel方眼紙

          親コメント
          • by masahikoi (1183) on 2011年12月04日 2時33分 (#2060625)

            文字数字日付だけでいいなら代用できますね。
            ワークシートテーブルにバイナリオブジェクトが保存できさえすれば完璧なんですが。

            親コメント
            • by fl (43569) on 2011年12月04日 3時08分 (#2060627) 日記

              OLEの埋め込みオブジェクトとか、BASE64変換を自作するとかで何とかなる。
              たいしたことない。HTAでバイナリを読み書きしようとする手間に比べたら。

              親コメント
              • by Anonymous Coward

                HTAには(IE上では封印された)ADODB.Streamがあるじゃないですか。
                # 結局File APIという名前で現代に復活した件

          • by Anonymous Coward

            データもコードも渾然一体で1ファイルに入っているという要件も満たしていますねw

        • by Anonymous Coward

          「AccessでMDB/MDEの方が近い」
          Notesの方が遥かに近い。つーか、そのものと言えるw

          Notesで作ったWebアプリは、データもコードも全て、DB(他の製品でいうところのDBとは少々意味が違いますが)というファイルの中に入ってますよ。

        • by Anonymous Coward
          Accessにもランタイムバージョンはありますよ
          でもあんまり一般的ではないようです。
  • そんなにスタックを使いたいのなら、こういうソフトもあるみたいっすね。

    HyperZebra Preview Release
    http://web.me.com/pgoo/Site/HyperZebra.html [me.com]

  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 18時49分 (#2060143)

    VBはさらにシェアを伸ばしていたかも。対抗ソフトとして、いい意味でね。

    #HCからVBに乗り換えるのは簡単だった。逆は無理かも。

  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 19時04分 (#2060149)

    ジョブズがAppleに復帰するよりも前に、既にHyperCardって息してなかったような・・
    その頃はCD-ROMによるマルチメディアコンテンツが主流で、その後すぐHTMLが一般化し、HyperCardは時代に取り残されていた印象だったなぁ
    HyperCardを亡き者としたって言われてもw
    もう役割を終えた存在だったという印象でしたよ

    • MacOS9使ってたけど確かに、HyperCard使わなかったな。すでにShockwaveがあったしFutureSplashも出てきてたし。
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      私が初めてMacを買ったのは1995年だからギル・アメリオがCEOになるちょっと前。
      当時すでにOSからHyperCardが除かれていて復活運動みたいのが盛んだった。
      なので私は「HyperCard、何それおいしいの?」という疑問を抱いたまま、
      実物に触れることなく今に至っている。

      HyperCardよりApplescriptをもう少し何とかしてくれないかな。
      今でも搭載されているのに、10年近く解説本の新刊が出てない気がする。

      • by Anonymous Coward

        > 当時すでにOSからHyperCardが除かれていて復活運動みたいのが盛んだった。

        私も同じ頃に初めて Mac を買ったのですが、確か HyperCard は入ってるんだけど
        オーサリングレベルが「隠しコマンド」になっている機能制限版だった、と記憶して
        おります。製品版はカラーが使えるようになってる、とかそんな差別化があったような。

        # Copland さえ出ていれば…

        • by Anonymous Coward

          隠しコマンドmagicでオーサリングできるのは、HyperCard Lite
          復活運動が盛んになったのは、その後のHyperCard Player
          うにょ [livedoor.jp]でよく遊びましたよ。

          • by tweedledee (43037) on 2011年12月03日 15時58分 (#2060454)
            うにょ、iOS で復活してますー。
            HyperCard 末期は、CPU等早くなりすぎて動きが
            せわしなかったのも、良い感じになってます。

            Macが可愛すぎんだよな、これw
            親コメント
            • by Anonymous Coward

              おお、早速遊んでみました。懐かしいなあ。
              自分も簡単なゲームを作って自分だけで遊んでました。
              スロットマシンとか(ハイスコア登録機構も作ったり)
              オセロとか(人間対人間しか自分では作れなかった)

              一見カード型データベースだけど、紙芝居とか、RPG風ゲームとか
              いろいろなスタックがありましたよね。

    • by Anonymous Coward

      と、言うか HyperCard は FileMaker に引き継がれたのだと思います。

      DBとしては、ちょっとサイズの大きなモノを作ろうとするとエラーが頻発、爆弾を誘発し、仕様的にも徐々に中途半端な印象となっていったように思います。

      また、当時の個人用カード型DBとしては良かったけど、カラー化が遅れたため、一部のプレゼンテーション(紙芝居やアニメーションなど、今で言うパワポ的使い方)目的のユーザは、マクロメディアのディレクターに移っていったように思います。
      その人達も今ではFlashに移っていると思いますが。

      なのでHTMLコーディングが一般化する以前に、姿とメーカを変えたのではないでしょうか。

      • by hpn_smile (11442) on 2011年12月03日 2時55分 (#2060308) 日記

        HyperCardの「カード型データベース」という部分だけをみて
        FileMakerに引き継がれたと考えるのは、全くの間違いです。
        FileMakerはデータベース。HyperCardは統合開発環境。根本的に別物。

        HyperCardの凄い所は、
        「Command押しながらドラッグするだけで、データベースのひな形が完成」したり、
        (↑うろ覚えだが、確かこれでフィールドが作られたはず)
        「"go next card"というボタンを作るだけで、ぱらぱら絵本のひな形が完成」するなど、
        無限の可能性があるにも関わらず、とにかく簡単で敷居が低い。
        同じ簡単さで同様のことを実現できる環境は、後にも先にも見当たらない。

        HyperCardから本格的なオーサリングツールへ移行したのは、それなりの作品を作る
        意気込みがあった人達。なぜなら、ツール自体がそれなりに高価で、かつ、複雑。

        HyperCardは無料でバンドルされていて、誰でも気軽に絵を描いて、作品を作れた。
        その結果、粗製乱造を招いたわけだが。クリエイターを発掘するキッカケとしては、
        非常に意義が大きかったように思う。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          >HyperCardから本格的なオーサリングツールへ移行したのは、それなりの作品を作る
          >意気込みがあった人達。なぜなら、ツール自体がそれなりに高価で、かつ、複雑。

          HyperCardはカード型データベースというより、マルチメディア・オーサリングツールですね。FileMakerでなく、Macromedia Directorだろうね。
          もっとも、SuperCard [supercard.us]もあるけどね。

    • by Anonymous Coward

      ジョブスが復帰しなかったら、QuickTimeベースで作り直されたHyperCard 3.0が出ていた予定だった。

  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 19時15分 (#2060155)

    私がMacを知ったときは、既にHyperCardはメインから外れていました。

    ただ、コンピュータを使って何かを作ると言う意味では、
    Xcode,Keynote
    もすばらしいツールだと考えています。

    って
    WebObjects
    が無くなったことをふまえるとAppleは路線を変更したのかもしれませんね。orz

  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 19時38分 (#2060168)

    他の方法でできるものを、「それ」でやらないとならない理由など存在しない。

    #残ってるのは、ここが便利だとか、ここがいいとか具体的にしないとね

  • by Anonymous Coward on 2011年12月02日 22時33分 (#2060244)

    HyperCard的なデベロップツール->HTML5+Javascriptへのコンバータで十分威力発揮できそうですがそういうツールはみかけないですねぇ

    HTML5でも--mozとか--webkitとか出てくるともうイヤになるので吸収してくれるものがあれば嬉しいのは本当

    • by Anonymous Coward

      もしかして:CSS3

      • by Anonymous Coward

        WHATWGもHTML5はbuzzwordだと認めましたぜ

  • by Anonymous Coward on 2011年12月03日 0時19分 (#2060272)

    HyperCardはよく知らないけど
    少なくともTownsGEARは素晴らしかった

  • by Anonymous Coward on 2011年12月03日 0時33分 (#2060275)

    >>今はほぼ消えつつある「コンピュータを『使うこと』と『プログラミングすること』の境界の薄い世界、
    >>パーソナルコンピュータが単なる高価なビデオ付き電話ではなく、自分の頭の中を増幅してくれる端末である世界。

    これら世界の入口としては、十分役割を果たしていた気がするのですが。

    私はやさしくないので、(選択肢はあるのだから)Linux上に上記の世界をユーザーが構築すれば良いと思っていましたが、
    そういう世界に興味をもつ人が圧倒的に減ってしまい、必要性が極めて低下してしまったように感じています。
    興味をもつ人が減ったというか、上から降ってくるものを待つだけになってしまったというべきかもしれませんが。

    • by Anonymous Coward

      これら世界の入口としては、十分役割を果たしていた気がするのですが。

      だからこそ、消されたのでしょ?

      そしてそれはAppleの囲い込み戦略が実現し得ない世界でもあったのだと。

      とあるように、ユーザーをAppleの世界に引き込み、ユーザーをAppleの世界に住まわせ、ユーザーにAppleの世界で消費を行わせ、ユーザーにAppleの世界で満足を感じさせ、ユーザーにAppleの世界で成仏してもらう…
      そういう囲い込み戦略をするには、自由への扉は邪魔だった。
      自分で何か新しい「仕組み」を作り出すものは邪魔だった。
      Appleの作り出す仕組みの中で、Appleの作る流れに沿った行動をし、Appleの思い通りに満足するユーザーを作るには、彼は邪魔だっ

  • by Anonymous Coward on 2011年12月03日 21時04分 (#2060543)
    HyperSenseというHyperCardの偽物が動いてて、このソフトは色付き、透明のオブジェクトがなぶれるので、感心したものです。
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身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

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